立体の世界ー3Dの世界は、子どもの認識能力や知覚能力を大きく変えていくかも知れない

空間認識力とは、三次元の空間上で、物体の位置や形状、方向、大きさなどを、直感的に素早く認識する能力の事を言うが、3Dの映像は、生物の脳がもっているこうした機能を幼い時に、基本的に混乱させて破壊してしまう恐ろしさがある。人間の場合には、こうした映像は、人為に製作されたという認識を事前に持って、対処するからある対応ができようが、幼い子どもたちなどに与える影響は、はかりしれない。

例えば、目前まで自動車が暴走してきたり、猛獣が襲ってきたときには、その恐怖感から逃れることは難しい。日常では、そうした恐怖は滅多におきないが、映画の世界ではどのような想像でも可能になるからである。経験や体験のない者にとっては、立体は架空のものとはみなさないからである。 ゲームやテレビだけに限らず、あらゆる表現が3Dを目指すようになるからだ。

もう古い話になるが、「アバター」はジェームズ・キャメロン監督が手掛けたSF大作で、世界興行収入は14億ドル(約1300億円)。これまでの記録を塗り替えた。ストーリーは、地球の資源を使い果たした人類が「パンドラ」という美しい星で希少鉱物の採掘を目論み、平和を愛する「ナヴィ」の人々と戦うというもの。


アメリカでは、映画館を出る時はその美しい世界から離れることの不安感にとらわれるという感想もあったそうだ。
この映画を見て人類を憎むようになった、現実に絶望したというファンも多く、インターネットのファンサイト「アバター・フォーラム」には、「パンドラの夢がかなわないという絶望感に対処する方法」というコーナーも登場。うつ状態に陥ったというファンや、対処方法を指南するユーザーから1000件を超す投稿が寄せられた。」という。


そしてし現在では、テレビやゲーム機などあらゆる機種が3Dに向かって大きくチェンジを初めている。3Dの映像が、もたらす世界は、人間にとって架空の世界ではなく、目の前に広がる現実の世界のものになろうとしている。この映像が与える衝撃は、これまでの映像という作られた視覚的世界を完全に抜け出して、実際の存在そのものの形により近くなったことを意味しており、これは人間の思考や生き方や生活に革命的な影響を及ぼすのではないかと思われる。

映像の世界で、なんでも想像したり創造したことが無制限にに表現されるようになってくることを意味しており、現実と想像との世界のギャップが失くなっていく。この喪失感は、これまで形をもたなかった思考や想像が、あらゆる色彩や形状をともなって出現していくことを意味しており、こうした形によった映像を子どもの時から見始めていくと、頭脳はこうした刺激によって認識を始め、完全に左右されていくようになる。


それは例えば、戦争映画で人を殺す場面を見ても、エロチックな映画を見ても、その主人公の戦闘の中における行動と同一視するようになったり、あるいは性生活の中にまで後戻りできないほど奥深く入り込んできて大きな心理的な影響を与えることも考えられる。それから逃れるのは不可能に近くなってくる。つまり立体的な体験や経験が、直接的に人間の脳に影響を与えるようになってくるわけで、特に子どもたちの脳髄が破壊されていく端緒となっていくと思われる。

市場競争への無限の関心から、人間はなんでも創造したりすることができるが、とうとう極限ともいうべき時代に行きついてきたのである。3Dが与える影響は、子どもだけでなく大人全体の人類の思考存在を根底から変えていくことになるかもしれない。


しかし人間の好奇心や市場経済は、あくまでもこのパンドラの箱を大きく開けて、ひと儲けしようと試みているのである。

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