2011年の活動記録と今年の抱負について

昨年、2011年の活動記録と今年の抱負です。日本が未曾有の危機に瀕している中で、将来をどのように切り開いていくか、今年も実験的な取り組みが続きます。支援して下さる多数の方々に心からの感謝を申し上げます。
田島伸二より




2011年のICLCの活動記録

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1)インド・パキスタンの子どもたちのための平和絵本の共同制作が完成 (1998~2012)
*これは14年ぶりに完成―世界初の印パによる「平和絵本」―15言語で翻訳刊行へ
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2)福島県の原発被災地の人々を対象に、大人と子どもの心のケアのための「絵地図分ワークショップ」を開催―5月と6月福島県いわき市で開催。福島・宮城・岩手へ震災調査に行く

3)専門家を育てる第1回絵地図分析ワークショップを、12月24日、東京の飯田橋で開催。これは連続的なワークショップで5回開催予定。

4)古屋和子の語りによる「大亀ガウディの海」が全国で行われる。脱原発のための国際映画祭で絵本の展示・参加

5)キラン図書館(パキスタンの刑務所の中に4館の子ども図書館を設置、カラーシャのマイノリティの子どもたちに1館)への活動協力、特に2011年には、死刑が求刑されていた姉妹の冤罪を高裁の弁護士が証明して、二人の無罪が確定し姉妹が釈放された。姉妹より感謝のメールが届く

6)沖縄のフクギの雫(しずく)の東京公演の実行委員として参加(特に沖縄における米軍機事故などについて、日本の戦後から現在までの略年表の制作を担当するー略年表は公演資料として参加者に配布)

7)房総半島の山荘でアメリカ人の編集者など参加「紙漉きワークショップ」の開催

8)名古屋で開催されたJICA講演会、大田区での教員の会などの講演会で話をする

9)「絵本辞典」の刊行(変化するアジアの絵本世界・ACCU/ICLCの活動などを執筆)

10)世界ヒバクシャ展で「大亀ガウディの海」のスライドが事務局で制作上映される

11)イギリスの学術雑誌に「キラン図書館の活動」の論文掲載。これはユネスコ本部から求められて執筆した論文が転載されたもの。

12)ミャンマーでの本格的な民主化が徐々に始まっていく(JICAアドバイザーとして、ミャンマーの基礎教育で7年間にわたって、師範大学で徹底した教員養成プロフラムを行なったこともあって、実に嬉しい結果だ。しかし本当の民主化への道は険しい。)

13)現在7ブログを制作・執筆している。この関係で種々の新しい活動へも参加した。
 




2012年のICLC活動計画(出版活動や講演会など含む)

1)1月26日にインドのデリーで開催されるICLC共同制作の「平和絵本」の出版記念会に出席(インド国営出版公社の開催―インド・パキスタン代表など多数が参加)

2)キラン図書館の活動調査と支援でパキスタン訪問―また無罪となった姉妹との会合やキラン図書館の新たな設置を中東とアフリカで調査・検討を行う予定

3)「インドからパキスタンへ流れる河川の環境問題の解決のための絵地図ワークショップ」の準備のためインドの諸大学やNGOと共同調査―ラホール女子大学での講演会とワークショップも同時期に開催予定 (パキスタンではすでに大学で5枚の絵地図作成済)

4)韓国(ソウル)のゲスナム出版社より「コンキチ」の絵本刊行―これはサムソンによるアニメーション化が検討されている。ハングル版の「大亀ガウディの海」は10刷りへ。また日本では、環境破壊と数字の幼児絵本(講談社の「10にんのきこり」も増刷りへ

5)「雲の夢想録」など40篇の創作を含む、450ページの英語版刊行(これは20年来の念願であり現在印刷中)
6)国際貢献と社会貢献で賞を受賞―1月、東京での受賞式に出席

7)私立大学の心理学の学生への講義準備(心のケアのための絵地図分析やICLC活動の全般にわたって講義を行うので、現在詳細なレジュメの執筆準備)

8)アジア・アフリカ・ラテンアメリカのアーティストを対象とした新しいデジタルイラストレーションによる国際コンペ(ビエンナーレ)共同開催の準備(これには、日本・イラン・中国・韓国・インドなどが参加予定で、既にイランの最大の出版社が参加を表明している。)企業の支援も受けながら、新しいコンセプトによる識字・文化共同事業)

9)脱原発に向けて、アジア地域での広範な活動、特にインド、中国、韓国、ベトナムで展開(インド、韓国、ベトナムなどは、すでに本は翻訳刊行しているので、今後はネットで配信する予定

10)東北の被災地での「絵地図分析ワークショップ」の開催と専門家の養成を図る。

11)ICLCで活躍した二人のスタッフが現在、国連でスタッフとして活動中―1人はニューヨークのUNDPで働く人、もう1人はユニセフで働く人であるが、ICLCは、今年も若い世代の活動と飛躍に向けて、全力で支援活動を行いたい。

12)房総半島の山荘にて、「21世紀が求める人間と世界のかたちーそのビジョンとアクションに向けて」の執筆を 2012年に完結予定、雲の夢想録を100話へ向けて執筆中

13)房総にて80-90歳を超える人生験者たちから種々の経験を生録画していく

14)その他

(以上)


2011年のICLC活動について

平和絵本の共同制作が完成

世界で初めてインドとパキスタンが共同制作した「平和絵本」が2011年12月に完成しました。喜びを持ってご報告したいものです。これは1998年、国際識字文化センター(ICLC)が、カシミール問題で激突して対立を深めるインドとパキスタンの国境紛争において、どうしたらインドとパキスタンが共同で平和を子どもたちのために育むことができるか、徹底して議論した末に1998年から開始された平和プロジェクトです。

2001年、東京で、インド、パキスタン、中国、アメリカ、日本など5カ国の参加者が参加し、第1回平和絵本の共同編集会議が開かれました。会議では、インドとパキスタンが、1998年にそれぞれ制作した2つの素案を討議しましたが、それをもとに2004年、ネパールのカトマンドゥーで、ICLCの主催、国際交流基金の支援のもとで、インドとパキスタン、ネパール、日本から16名の作家、編集者、画家などが招聘され、さらに絵本の内容が煮詰まっていきました。

ネパール会議では、5日間にわたって子どもたちの平和を阻害する問題や解決方法が徹底的に討議され、共同で平和絵本の骨子を制作して、最終素案が共同制作されました。これをもとに編集作業は進みました。しかし内容の表現やイラストの内容、出版方法、予算などをめぐって難航を重ねましたが、2011年、平和絵本の英語版がついに完成、インドのデリーにあるNBT出版社から出版されたものです。NBTは今後、パキスタンのウルドゥ語を含む15言語で翻訳刊行する予定です。2012年1月25日にデリーで、印パ双方の関係者とICLC代表などが出席して出版記念会が開催される予定です。
   
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ティトリと希望の音楽      

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ロストアンドファウンド  タコよ!

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天高く舞い上がれ!


今後は、この英語版をもとに、インド、パキスタンなどのそれぞれの言語、ヒンディ語、ウルドゥー語、ベンガル語など10数言語に翻訳され出版されていくことが始まっています。このプロジェクトには、「国際交流基金」、「広島祈りの石」、ネパールのユニセフなど多数の団体や個人などが協力を惜しみませんでした。紙面を借りて、心からお礼を表明したいと思います。

熾烈な国境紛争で犠牲になるインドとパキスタンの二つの国のこどもたちにとって、平和絵本という新しいアプローチが楽しい絵本でもって示されたことは、小さなことのように見えて実は世界史にもなかったような新しい融和と寛容の時代が始まっていることを意味しています。平和は叫びでは決して達成できません。具体的に子どもたちの心の中に平和の礎をしっかりと築いていかねばならない課題です。それには、感動の中でメッセージをきちんと届けることです。ここに紹介したのは3点の絵本ですが、プロジェクのト最終には全部で4点が出版され配布されることになっています。


このプロジェクトのあと、国際識字センター(ICLC)は、日本・韓国・中国の子どもたちへ3カ国の近代の歴史を扱った歴史共同出版やパレスチナとイスラエルの子どもたちへは、平和のための共同出版を開始することになっています。いずれも世界で最も難しい課題ですが、「これからの子どもたちに、世界で一番大切な問題」を絵本を通じて真っ先に届けていきたいのです。平和問題は、遠くの理想や観念的な平和を語ることではありません。現実の厳しい環境の中で苦しむ子どもたちの心の中に、具体的で感動的な果実を実らせていくことが必要なのだと思います。絵本は、今後、ネットやYOUTUBEなどによる語りなどでも広く配布され、世界中の子供たちへも届けられていくことになっています。

昨年は、子どもたちに希望の種をまくことのできた年です。
関係の皆様に心から感謝申し上げます。







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