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zoom RSS 太平洋の幼稚園 (雲の夢想録1000話)

<<   作成日時 : 2011/08/11 18:38   >>

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太平洋の幼稚園



あるとき雲は「今日、わたしは広い太平洋の空にポッカリと浮かんでいました。」と実に楽しそうに語り始めました。「太平洋はどこまでも広く静かで、青い美しい波をたくさんの島々に打ち寄せていました。

海岸にはたくさんのやしの木が海風と対話しながらやさしい声で歌っておりました。その波のかなたにパプア・ニューギニアという国があります。知っていますか?この国の人口はたったの500万人。でも言葉はなんと800種以上もあります。毎年9月にはシンシンと呼ばれる楽しい歌や踊りが繰り広げられるとても文化の豊かな国でした。

「今日、わたしはハイランドと呼ばれる深い山岳地域で小さな幼稚園を見つけたのです。」と雲は楽しそうに語りました。

「世界最後の秘境と言われたパプア・ニューギニア。この国では読み書きできる人はとても少なかったので、その険しい山岳地域の中で幼稚園を見つけたときはとても嬉しかったのです。ですから大空からちょっとのぞいてみることにしました。なぜってたくさんのチビッコたちが自然のなかで元気いっぱいはしゃいでいる姿に接するのは心の弾むようなとても楽しいことですから。」と雲は言いました。


「幼稚園のクラスは始まったところでした。粘土でかためられた床には柔らかな干し草が何重にも敷いてありました。干し草の上に気持ちよく座った33人の子どもたちのにぎやかなこと、にぎやかなこと。子どもたちの大声は、大空いっぱいに広がって、雲のあたりまで響いていたのですからね。」と雲は微笑みました。

そのとき幼稚園の女の先生が、「みなさん!今朝はこれからみんなで深い森へ行ってみましょう。」と言いました。「さあ!いいですか!みなさん!それでは目を閉じて下さい。いいですか!いつものように!さあ!しっかりと目を閉じてね。たくさんの木が茂っているあなたの村のふか一い、ふか一い森の中に入ってみましょう!」
すると子どもたちはすぐに静かになり、しっかりと目を閉じました。雲は言いました。

「わたしはびっくりしてしまいました。なぜってこれからみんなで目を閉じてどうやって森に入って行くのかととても心配になったからです。そう!幼稚園の先生は、子どもたちが賑やかなときにはいつもこうやって子どもたちを静かにさせていたのでした。しばらくすると先生は、クラス全体をゆっくりと見渡したあと、「さあ!・・・・・みなさん!森の中へ入って行って、最初に何を見つけました?」と言ったあと、先生もしっかりと目を閉じて、子どもたちにやさしく呼びかけました。

「さあ!マーロン!あなたはどんなもの見つけたの?」
すると背の高い男の子のマーロンが「先生!ボク、とっても大きな木を見つけました。』と言いました。「とても高くてとても大きな木です。たくさん大きな緑の葉っぱをつけて、おいしい実もなっています。なんていう名前か知らない?そう森の中はとても暗いです。」と答えました。

「それはよかったね!おいしい実をたくさん採ったら、先生にもぜひ食べさせて下さいね。」と先生は笑いながら答えました。
「先生!先生!ボク、小さな野豚を見つけたよ。捕まえようとするんだけど、とても走るのが早いんだ。とってもかわいい野豚だよ。捕まえたらみんなで飼おうね。」とクラスの中で一番すばしっこいキリミミが早口で言いました。


すると先生はにっこりと微笑みながら「ね!みなさん!森の中にはいろいろのものがいるでしょう!よーく森の中を見てくださいね。森の中をよく見ると、あなたの目にはたくさんの生き物が映ってくるのですから。でもみなさん!まだ目を開いてはいけません。まだ目をしっかりと閉じていて下さい。さあ!ポナペ!あなたはどんなものを見つけたの?」

するとクラスで一番ちっちゃな女の子が勢いよく立ち上がって言いました。目をしっかりと閉じていました。「せんせい!せんせい!わたし、とてもきれいな花をみつけたの。赤や黄色や紫色のいろいろの色をした花が、森の中にはたくさん咲いている。わたし、次から次へと花をとっていたらね、もう疲れちゃったよ。せんせい!だれか、わたしの代わりに花をとってね。せんせいにもたくさんプレゼントするね。とてもきれいな花よ。』と言いました。
「ありがとう!」と先生はいいました。

「せんせー!ボクね、深い森の中に入って行ったら、たくさんの木の間で迷子になっちゃったよ。どうやって村まで帰っていいのかわかんなくなっちゃった。」と大きな体格をした男の子が言いました。
「それは困ったね。でも道に迷ったとき、どうしたらいいか、おうちのおじいちゃんから聞いたことあったでしょう?」「うん」と元気のいい声で男の子が答えました。「おじいちゃんは何でも知っているから。」、「せんせ!せんせ!わたし!きらきら光るきれいな石見つけたの。」とクラスでいつも頭に花飾りをつけている女の子が言いました。


「この石とってもきれいよ。光にあてたらキラキラと輝いてとてもまぶしいの。わたしの顔を映していたら顔が石にくっついちゃった。」と言って大笑いしました。これを聞いて先生もみんなも大笑い。その楽しそうな笑い声はパプア・ニューギニアのハイランドの深い森や広い海をはるかに越えてどこまでもどこまでも広がって響いていきました。


「・・・ああ!楽しかった!幼稚園って本当に楽しいところだね。こどもたちの遊びのふるさとだね。」と雲は言ったあと「そうそう、人の心は子どものときの自由な遊びと想像ですべて創られているって、それほんとうだね。」と雲は言いました。

それから雲は、青い太平洋に浮かぶパプア・ニューギニアの愉快な幼稚園の空からゆっくりとイースタ島の方へと流れ去っていったのでした。











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